はじめに
「夜中に突然、子供の頃の母親の声が蘇って動悸がする…」
「やっぱり、私が悪いんだ。どうして普通にできないんだろう…」
こうした辛さや自責感で悩んでいるものの、誰に相談したら良いのかわからない、心の悩みに関すカウンセリングルームはたくさんあるものの何を基準に選んだら良いかわからない、という悩みも重なっているとしたら、この記事はそんなあなたのため書かれております。心の悩みで辛い想いをするのは、あなたの「弱さ」や「甘え」のせいではありません。それは、過去の経験から心と身体が発している、懸命なサインなのです。ただ、懸命なサインついて心の専門家に相談したいと思っても、昨今「カウンセラー」と名乗り、様々な資格や経歴を謳い文句にしている「専門家(と思しき人)」も多くいるため、何を基準にどのような人に相談したら良いのかわからない、という方も多くいらっしゃるかと思われます。
この記事では、本当に信頼できる専門家と出会うための「カウンセリング専門家選びの3つの必須ポイント」を具体的にお伝えします。
読み終える頃には、ある程度確かな専門家を見つけるための「一つのものさし」、軸を持てるかもしれません。
【専門家選びのポイント1】専門性の「本当の意味」を見抜く。資格と経歴のチェックリスト
東京には数多くのカウンセラーがいますが、その質は様々です。あなたの大切な心と過去を打ち明ける相手だからこそ、「専門性」は慎重に見極める必要があります。
なぜ「臨床心理士」が一つの信頼の目安になるのか?
日本には心理系の民間資格が多数存在しますが、特に信頼性が高いとされる国家資格・民間資格があります。その中でも「臨床心理士」は、指定大学院の修士課程を修了し、心理学全般に関する一定水準以上の試験に合格する必要があるため、一般的には専門的な知識と訓練の質が他の資格より高いと言えます。
比較的新しい国家資格である「公認心理師」も信頼の目安となりますが、資格取得の経過措置により、様々な経歴の方が含まれるのが現状です。そのため、トラウマのような特に専門性が求められる相談では、臨床心理士の資格を併せ持っているかも一つの重要な判断基準になるでしょう。
あえてもう一つの視点をご紹介するとしたら、公認心理師だけであっても福祉系の国家資格(社会福祉士や精神保健福祉士など)を保持しているかどうか、ということです。
社会福祉士や精神保健福祉士は大学院修了までは求められておりませんが、やはり一定水準以上の試験に合格する必要があり、また現場実習の指導体制もしっかりしております。
また、心理学と福祉学はバックボーンこそ異なりますが重なる部分は非常に多く、少なくとも相談・見立て(理解)・支援という基本的な面では共通しております。
ただ、どのような資格であっても、資格は目安です。下記のような資格に加えた視点も大切になります。
資格+αで確認を。「EMDR」などトラウマに特化した専門訓練
トラウマケアは、非常に繊細で高度な専門性が求められます。基本的な資格に加えて、カウンセラーがトラウマに特化した専門訓練を継続的に受けているかを確認しましょう。
例えば、WHO(世界保健機関)も推奨するトラウマ治療法である「EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)」は、その代表例です。日本EMDR学会のウェブサイトには、正式なトレーニングを受けた治療者リストが公開されています。気になるカウンセラーが、こうした専門学会に所属し、研鑽を積んでいるかを確認することは、専門性を見極める上で非常に有効です。
(EMDRについて、詳しくはこちらの記事で解説しています)
要注意!避けるべき専門家の危険信号(レッドフラグ)
一方で、注意が必要なケースもあります。
- あまり聞き馴染みのない民間資格を多数並べている
- スピリチュアルな要素や非科学的な手法を過度に強調している
- 「絶対に治る」「すぐに効果が出る」といった、安易な言葉を使っている
このような場合は、一度立ち止まって慎重に検討することをお勧めします。
【専門家選びのポイント2】「相性」を具体的に確かめる。初回面談で聞くべき質問リスト
「専門性が高いのは分かったけど、自分に合うかどうか…」その感覚は、とても大切です。カウンセリングは、最終的には人と人との信頼関係が土台となります。「相性」という曖昧なものを、具体的に確かめるための方法を見ていきましょう。
予約前に確認。ウェブサイトから「誠実さ」を確かめる方法
カウンセラーの人柄や姿勢は、ウェブサイトやブログにも表れます。一例として、
- プロフィールや理念: どのような想いで相談に乗っているのか、誠実な言葉で語られていますか?
- ブログなどの発信: 悩みに対する深い洞察や、温かさが感じられますか?
- 料金体系: 料金やキャンセルポリシーが明確に記載されていますか?(秋葉原心理オフィスMAYの料金ページ)
これらの情報から、あなたが「この人なら、安心して話せるかもしれない」と少しでも感じられるかどうかが、最初のステップです。
面談中に直接聞こう。専門家の質を見極める質問リスト
初回面談は、あなたがカウンセラーを「評価」する場でもあります。緊張するかもしれませんが、勇気を出していくつか質問をしてみましょう。
- 「私と似たような、親子関係のトラウマを抱えた方のカウンセリング経験はどれくらいですか?」
- 「カウンセリングを進める上で、安全についてはどのようにお考えですか?」
- 「もし私が話すのが辛くなった時、どのように対応してくれますか?」
これらの質問に対するカウンセラーの回答そのものも大切ですが、絶対的な答があるわけではないので、答え方、その時の表情や態度などから、専門性の他、誠実さや相性の一つの目安になるかもしれません。
面談後に自分の心に問う。感覚を信じるためのチェックリスト
初回面接を終えると様々な心の動きが生じることもあります。また、場合よっては興奮や緊張感もあるかもしれません。気持ちが少し落ち着いた頃に、自分の心に問いかけてみてください。
- 「私の話を、評価や判断をせずに聴いてもらえただろうか?」
- 「自分の痛みや悩みを程よく話せた感覚はあっただろうか?」
- 「この人になら、もっと難しい話も、いつか正直に話せるかもしれないと感じたか?」
論理的に考えるだけでなく、あなたの「なんとなく」という直感も大切な判断材料です。
【専門家選びのポイント3】大切な条件は「あなたを再び傷つけない」姿勢。トラウマインフォームド・ケア(TIC)とは?
専門性や相性以上に、トラウマを抱えるあなたにとって欠かせない、特に重要な視点があります。それが「トラウマインフォームド・ケア(TIC)」です。
「この人に何があったのか?」という視点が、なぜ最も重要なのか
トラウマインフォームド・ケア(TIC)とは、相談に来られた方がトラウマを抱えている可能性を常に念頭に置き、その言動や症状に対して「この人は何がおかしいんだろう?(What's wrong with you?)」ではなく、「この人に何があったんだろう?(What happened to you?)」という視点で理解しようとする姿勢のことです。
この視点を持つ専門家は、あなたが再び傷つくこと(再トラウマ化)がないよう、安全な環境を確保することを最優先します。これは、トラウマケアを行う上での大前提であり、専門家を選ぶ上でのかなり重要な条件と言えるでしょう。
あるクライアントの物語
以下は、比較的よくうかがうお話について、共通する要旨を複数組み合わせた架空の事例です。
以前、別のカウンセリングで「もっと前向きに考えないと」とというようなことを言われ、深く傷ついた経験のあるAさん(30代女性)は、初回面接で「私が悪い、私が我慢すればいいと、ずっと思ってきました」と涙ながらに話してくれました。
Aさんのそうした想いも含めた悩みや症状を「問題」としてではなく、彼女が過酷な環境を生き抜くために一つの工夫としてされてきたこととして捉え、お伝えしました。そうしたお話の中で、Aさんは初めて「自分が悪いから我慢すればいいということではないかもしれない」という思いから、その時点でお話できそうなところから過去をお話しされることができました。
TICを実践するカウンセラーが見せる具体的な行動
TICを実践しているカウンセラーは、以下のような具体的な配慮を示します。
- 秘密保持について都度説明する
- 必要に応じて「今、このお話をうかがう流れでも大丈夫ですか?」と確認する
- 治療法について複数の選択肢を提示し、あなたが選べるようにする
- あなたの持つ強さや、これまで生き抜いてきた工夫(コーピング)に着目する
こうした一つひとつの関わりが、「ここは安全な場所だ」という基礎につながります。
EMDRのような専門治療も「安全な関係性」という土台があってこそ
あなたが関心を持っているかもしれないEMDRのような効果的な治療法も、カウンセラーとの間に「安全な信頼関係」という土台があって初めて、その力を最大限に発揮します。
焦って治療法だけを求めるのではなく、まずは「この人となら大丈夫」と思える関係性を築くことを優先してくれるカウンセラーを選びましょう。
より根本的な解決へ:生きづらさの連鎖を断ち切るために
「親のせいにするなんて甘えだ」と自分を責めてしまうあなたへ
カウンセリングをためらう方の中には、「過去を掘り起こして親のせいにするなんて、甘えではないか」という罪悪感を抱えている方が少なくありません。
しかし、カウンセリングの目的は、誰かを「責める」ことではありません。あなたの身に何が起こり、それが今のあなたにどう影響しているのかを、客観的に理解すること。そして、過去の経験にこれからの人生を縛られることなく、あなた自身の足で歩んでいく力を取り戻すこと、あるいは必要に応じて人とのつながりを程よく持てるようになること、そうしたことが本当の目的なのです。
【より深く知りたい方へ】「アダルトチルドレン」からの回復ステップ
もし、「やっぱり自分が悪いんだ」という根深い感覚や、理由のない生きづらさの構造をより深く理解したいと感じたら、それは回復への大切な一歩です。
なぜそのように感じてしまうのか、そしてその苦しみの連鎖を断ち切るために何ができるのか。こちらの記事が、最初の一歩としてご参考いただけましたら幸いです。
(「もしかして、私…?」アダルトチルドレンだと感じたら。原因から克服の全ステップまで専門家が解説)
まとめ:もう一人で戦わないで。今日からできる最初の一歩
この記事では、あなたが東京でトラウマカウンセリングを探す際に、後悔しないための3つの必須ポイント(①専門性の見抜き方、②相性の確かめ方、③絶対条件としてのTIC)を解説しました。
情報が多すぎて混乱してしまうかもしれません。そこで最後に、あなたが初回相談で実際に使えるチェックリストを用意しました。スマートフォンでこの画面をブックマークし、適宜確認されたいときに確認していただければと思います。
【実践ツール】後悔しない専門家選び・評価チェックリスト
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カテゴリー |
チェック項目 |
あなたの感覚 |
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1. 専門性の確認 |
□ 臨床心理士または公認心理師の資格を持っているか? |
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□ トラウマに特化した専門訓練(例:EMDR学会認定など)を受けているか? |
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□ 料金体系や守秘義務について、明確で誠実な説明があったか? |
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2. 安全・安心感の確認 (TIC) |
□ 私の悩みや経験を、評価・判断せずに聴いてくれたか?(「大変でしたね」という共感) |
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□ 「何があったのか」という視点で、私の背景を理解しようとしてくれたか? |
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□ 威圧的・高圧的な態度はなく、穏やかで対等な関係性を感じられたか? |
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3. 相性と今後の見通し |
□ 私が話した内容を的確に理解し、整理してくれたか? |
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□ 今後のカウンセリングの進め方について、私の希望も聞きながら提案してくれたか? |
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□ この人となら、難しい話も正直に話せそうだと感じたか? |
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□ セッション後、不安の中にも少しだけ「希望」や「安心」を感じられたか? |
かつて生き抜くために必要だった心の鎧は、これからは必要な場面で少しずつ脱いでいくこともできます。あなたの苦しみを理解し、安全な場所で一緒に伴走してくれる専門家はきっと見つかります。
この記事が、あなたが希望への扉を開く、最初の一歩となることを心から願っています。
最初の一歩を踏み出してみませんか?
もし「話してみたい」と感じたら、初回面接のお申込みをご検討いただけましたら幸いです。あなたからのご連絡を、心よりお待ちしております。
秋葉原心理オフィスMAY
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- (監修:臨床心理士・公認心理師 猪野 哲)
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