心理療法・カウンセリングの継続に関するQ&A②

第2部 継続した方が良い場合

 

 第1では、心理療法・カウンセリングを続けて受けることができる場合と続そうでない場合、もし続けて受けられない場合、当オフィスではどのようなご対応が可能か、続けて受けていただく場合の留意点についてお伝えいたしました。

 今回第2部では、心理療法・カウンセリングの継続に関することのうち、心理療法・カウンセリングは継続した方が良いのか、継続するとしてもどれくらいが良いのか、についてQA形式でまとめさせていただきましたので、それぞれを項目ごとにご説明できればと思います。

~目次~

Q1.心理療法・カウンセリングは継続した方が良いですか。

Q2.試しに一回だけ受けることはできますか。

Q3.継続する方が良い場合は、どのような場合ですか。

Q4.継続しないと、何か良からぬ状態になってしまうことはありますか。

Q5.継続するとしたらどれくらいが良いですか。目安はありますか。

Q6.12回ですぐに改善する場合はありますか。



Q1.心理療法・カウンセリングは継続した方が良いですか。

 何をどこまでお求めになるかによって異なりますが、基本的には継続することで徐々に効果が実感されることが多いので、継続されることをお勧めしております。



Q2.試しに1回だけ受けることはできますか。

 1回だけ受けていただくこともできます。

 初回カウンセリングは70分ですので、その時点でお伝えできそうなことをお伝えすることはできます。

 ただ、1回だけではお聴きしきれないこともあるため、何ともお伝えできないこともあります。



Q3.継続する方が良い場合は、どのような場合ですか。

 継続する方が良い場合は、

 (1)トラウマやお悩みが日常生活で大きなネックになっている。

 (2)一時解消しても同じ悩みが繰り返されている、あるいは悪化している気がする、

 (3)自分一人で考えてもわからない、

 (4)身近な人に話しても解決の兆しが見えない、じっくり話すことができない。

 などの場合です。

 そうした場合は継続しながらお悩みと根本的に向き合った方が良いでしょう。



Q4.継続しないと、何か良からぬ状態になってしまうことはありますか。

 例えば明らかな体の病気であれば、医師の指示に従って治療を受け続けないと悪化してしまうことも多くあります。

 ですが、心理療法・カウンセリングの場合、「ほっとくと悪化するから受け続けなければいけない」とは単純に言えません。

 確かに、トラウマが残ったままだと、新たな傷つきを生んでしまうこともありますし、苦しい気持ちが続くことも多くあります。

 だからといって、ただちに命に危険が及ぶとか、その後の人生が絶対的にネガティブなものになってしまうかというとそうとも言い切れません。

 日常の中で支えや理解が得られれば、自然と立ち直ることも多くありますし、日常生活に大きな支障が出ないこともあります。

 また、仮に自然と立ち直れなかったとしても、あえて専門的なケアを受けず、トラウマや悩みをそっと抱えながら生きていくというのも、その人の生き方の一つの選択肢です。

 専門的なケアを選択するということは、今の自分やその後の人生に新たな可能性を見出せるきっかけにはなりえます。

 ただ、あくまで一つの手段です。焦らず、こうでなければと考えすぎず、ご検討いただけたらと思います。



Q5.継続するとしたらどれくらいが良いですか。目安はありますか。

 その方の悩みの内容や、その悩みに至るまでの経緯、何をどこまでお求めになるかによって異なりますので一概には言えません。

 ただ、現時点での私の経験で得られた知見をご紹介したいと思います。ただ、あくまで目安であり断言できるものではありません。

 単発のトラウマ(例えば初めての交通事故被害等)で、かつ人生上の別のトラウマと関連がない場合、EMDRを実施すると、フォローアップを含めて長くても1520回あれば一定の効果を実感される場合が多かったです。

 また、トラウマとは直接関係しない不安感情や体のちょっとした反応がお困りの場合で、催眠法などを用いた心理療法を行うと、1520回前後で一定の効果を実感された場合が多かったです。

 いずれも週12週に回程度のペースで実施した場合なので、およそ半年前後くらいでした。

 ただ、繰り返しになりますが、その方の悩みの内容や経緯、何をどこまでお求めになるかによって異なります。

 不安定な状態が強ければ安定化を図ることに時間をかけた方が良い場合などもありますので、一概にこの期間内に改善できるということを断言できるものではありません。

 複数のトラウマが込み入っている場合、また、長く習慣的になった考え方の癖や心身の反応などの場合は一定の効果を実感されるまで年単位を要することがあります。

 また、心理療法を用いて一定の効果を実感されても、根本的な克服には23年かかる場合もあります。

 ただ、「ここまで来れたら、そろそろ自分で取り組んでみようかな」と思われた段階で終了することもできます。

 言い換えれば、「~の期間を続けなければいけない」、「絶対的にすべてを良くしなければいけない」ということはありません。



Q6.1、2回ですぐに改善する場合はありますか。

 少ないですが、確かにそういう場合もあります。

 ご参考までに、私の経験上で12回で当面の解消ができた要素について、簡単にお伝えしたいと思います。

 (1)具体的な決断が必要なことで、うっすら自分の中で結論が出ている。

 (2)現実的に決断するまでの時間が差し迫っている、または手段が限られている。

 (3)とりあえず誰かに話してすっきりできれば良いと思っている。

 という3点のいずれかに該当している場合、当面の解決は得られたこともありました。



 今回第2部では、心理療法・カウンセリングの継続に関することのうち、心理療法・カウンセリングは継続した方が良いのか、継続するとしてもどれくらいが良いのか、ということについてお伝えいたしました。

  ポイントとしては、心理療法・カウンセリングは、多くの場合ある程度の期間を要すること、とはいえ、ずっと続けなければいけないというものではないこと、ご自身でどうにかできそうなところまで来たら一度終了することもできること、という3点になります。

 当オフィス以外でも、心理療法・カウンセリングをお受けになり、継続されようかどうしようか迷われましたら、今回のお話をご参考までに思い出していただけたらと思います。

 次回3では、心理療法・カウンセリングの継続に関することのうち、継続するとしたらどれくらいのペースでどの程度の期間が必要なのか、心理療法の方法は途中で変えられるのか、諸般の事情で続けられない場合は途中であってもやめられるのか、ということについてご説明いたします。

 

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 今後ともよろしくお願いいたします。