こちらのページでは、心理療法・カウンセリングをお受けいただくにあたって、医療と関わるご質問と回答をまとめさせていただきました。
数多くある診療科目の中でも、とりわけ心理療法・カウンセリングと関わりの深い診療科目として、精神科・心療内科があります。
心理オフィス(カウンセリングルーム)では健康保険が使えるのか、医療機関への受診に関すること、通院している場合に心理療法・カウンセリングを受けたい場合、主治医の同意が必要かどうかなどをQ&Aとしてまとめました。
目次
Q1.健康保険は適用されますか。また、医療費控除を受けることはできますか。
Q4.現在通院している場合、心理療法・カウンセリングを受けるには主治医の許可や同意は必要ですか。
Q5.心療内科・精神科で受ける治療と、心理療法・カウンセリングは違うものなのでしょうか。
Q6.はじめに医療機関に受診するか、カウンセリングを受けるか迷っています。
Q1.健康保険は適用されますか。また、医療費控除を受けることはできますか。
当オフィスは医療機関ではなく心理療法・カウンセリングを専門とする機関であるため、健康保険は適用されません。
医療費控除についても、同様の理由で対象となりません。
Q2.診断や薬の処方を受けることはできますか。
心理士は医師ではないので診断や薬の処方をすることはできません。また、どのような薬が良いかなどについてもご助言できませんので、専門医へのご相談をお勧めいたします。
ただ、診断はできませんが、今どのような状態か、その状態の背景に何らかの精神疾患が疑われないか、などは念頭に置きながら心理療法を実施しております。
Q3.医療機関への受診が必要かどうか教えてもらえますか。
心理療法やカウンセリングを初めて受けた段階、あるいは継続する中で、医学的治療が必要と考えられる場合は、速やかにその旨をお伝えいたします。
その際、主治医の判断にもよりますが、心理療法やカウンセリングを通院と並行して継続していただける場合と、いったん休止した方が良い場合についてもお伝えいたします。
Q4.現在通院している場合、心理療法・カウンセリングを受けるには主治医の許可や同意は必要ですか。
通院中の方で心理療法・カウンセリングを継続して受けることを希望される場合は、原則として主治医の許可や同意が必要です。
というのも、心理療法・カウンセリングを進めていくと時として心に負荷がかかることがあるからです。
心理療法・カウンセリングをご希望される場合は、ご自身の状態について主治医とご相談されることをお願いしております。
Q5.心療内科・精神科で受ける治療と、心理療法・カウンセリングは違うものなのでしょうか。
心療内科・精神科では、医師による治療がメインとなります。医師による治療は、原則として診察とお薬による治療(薬物療法)が主となります。
医師による診察は、初めて受診する場合は約30分、それ以降再度受診する場合は、平均して10~15分程度であることが多いです。
よくある誤解の一つとして、「医師にカウンセリングを受けているのにじっくり話を聴いてくれない」というお話があります。
ですが、医師による診察は厳密にはカウンセリングではありません。視点も医学的な視点がメインとなります。
限られた時間の中で患者さんの状態や経過を見極めなければいけないことも多いため、話せる内容もそれに沿った形になりやすいです。
そのため、じっくり話し合いたいという方にとっては話したいことを話しきれないこともあるかもしれません。
じっくり話し合うことを希望される方、あるいはじっくり話し合うことが症状の改善に必要と医師が判断した場合などに備えて、心理療法・カウンセリングを併設しているクリニックも増えております。
この時、心理療法・カウンセリングを担当するのは医師ではなく、そのクリニックに所属している臨床心理士(公認心理師)となります。場合によっては精神保健福祉士が担当することもあります。
精神療法(心理療法)を専門とする医師も近年少しずつ増えていますが、診察とは別の時間枠、料金枠で実施されていることが多いです。
なお、臨床心理士(公認心理師)による心理療法・カウンセリングは、医師の診察を受けた上で適応とされた場合に実施される流れが多いです。
Q6.医療機関に受診するか、カウンセリングを受けるか迷っています。
心身の症状があまりにも重く、日常生活にかなりの支障が出ている場合は医療機関への受診を優先した方が良いです。
そこまで重いわけではなく、ある程度の生活ができているレベルの場合は、判断が分かれるところです。
理想は心理療法・カウンセリングと薬物療法を併用することですが、ひとまず症状だけをどうにかしたいと思われる場合は、医療機関に受診しお薬を飲んでみて様子を見てみることも良いと思います。
自分では心の悩みと思っていても、お薬を飲むことで心身の状態が落ち着き、心の悩みに対する見方が変わってくることもあります。
逆に症状による支障はそこまでなく、心の悩みをじっくり話し合いたいと思われる場合は心理療法・カウンセリングから受けてみる方が良いかもしれません。
また、例えば、嫌なことを思い出して自分に対して否定的になる、特定の何かが怖くて避けてしまう、ちょっとしたことで不安になりやすい、など、トラウマや特定の何かに対する恐怖症、また、習慣的になった不安感による悩み関しては、お薬だけでは克服できないことの方が多いです。
その場合も、まずは心理療法・カウンセリングから受けてみることが良いかもしれません。
なお、数年単位で安定剤を服用しているものの、根本的な悩みが改善されないという場合は、心理学的なメカニズムによって悩みが発生、維持されている可能性が考えられます。
~さいごに~
今回は、心理オフィス(カウンセリングルーム)と医療機関との違いをはじめ、医療に関するよくあるご質問と回答についてお伝えいたしました。
いくつかポイントはありますが、心理オフィス(カウンセリングルーム)は医療機関ではないこと、また医師による診察と心理療法・カウンセリングは原則として違うこと、の二点を覚えておいていただければと思います。
どちらを受ける場合であっても、その二点を覚えているだけでも「イメージと違った」ということを少なくできるはずです。
こちらに掲載しきれなかった疑問点や、お知りになりたいこともあるかもしれません。
ご不明な点等ございましたら、inosatoshi.counseling@gmai.comまでお問い合わせいただけたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。