カウンセリングルームのウェブサイトの見方と選び方~基礎編~

心の悩みが生まれて、自分だけで改善するのが難しい、身近な人に相談しても改善しない場合、心の専門家に相談しようかなと考え始めることもあるでしょう。

 相談してみようかなと思ったとき、インターネットでどのような専門機関が良いか探す場合も多いと思います。

 最初に検索して表示された機関で即断する場合もあるかもしれませんが、いくつか調べて比較してから検討することも多いでしょう。

 今回は心の専門家の中でも、心理療法・カウンセリングを専門とするカウンセリングルームのホームページやウェブサイトを見て、どうやって選んだら良いのかということについて、私なりに考察したことを基礎編と応用編に分けてお伝えしたいと思います。

 基礎編では、名称、資格、料金について、応用編ではウェブサイト内の説明のあり方や専門性について、それぞれ説明いたします。

 ただ、いずれもこれからお伝えすることはあくまで参考です。

 こちらに書かれたことを基準に選んで行ってみたけど、いまいちだったということもありますし、その逆もあります。

 その点をご承知の上、カウンセリングルームを選ぶにあたって一つのヒントになれれば幸いです。

~目次~

①名称について

②資格について

③料金

④まとめ

①名称

 今回の記事では心理療法・カウンセリングを専門とする機関について、カウンセリングルームと統一させていただきます。

 心理療法・カウンセリングを専門とする機関の名称も様々です。

 当オフィスのように心理オフィスと名乗るところもあれば、○○カウンセリングオフィス、〇〇臨床心理研究所、○○心理相談室、など多数あります。

 原則として名称による違いはありません。

 大切なことは、以下、②、③と応用編でお伝えするウェブサイト内の説明のあり方や専門性といった内容的なことになります。

②資格について

 まず見ていただきたいのが資格です。

 臨床心理士または公認心理師をすでに取得している、あるいは、受験資格をもっているかどうかが一つのポイントになります。

 医師による医行為などと異なり、心理療法・カウンセリングは独占業務ではないため、臨床心理士や公認心理師ではなくても、カウンセラーと名乗って心理療法・カウンセリングをしても罰則はありません。

 そのため、現在の日本では、疑わしい資格が多数乱立しているのが現状です。

 疑わしいというのは、学術的に根拠のある専門的な知識の習得や訓練が担保されていない団体によって発行、認定された資格ということです。

 もちろん、臨床心理士や公認心理師をもっているから万事良しということではありませんし、またどのような悩みにも対応できるわけではありません。

 ましてや、悩みの改善が保証されているわけでもありません。

 ただ、少なくとも学術的に根拠のある専門性、倫理基準に則っているかどうかということの一つの基準にはなりえると言えます。

 同資格を発行している団体においても、心理療法・カウンセリングを行う上での倫理基準が明示されています。

 臨床心理士と公認心理師の二つが現在の日本における有力な資格ですが、時折、どちらか一方のみ取得しているというカウンセラーもいます。

 この場合、どう考えたら良いのでしょうか。

 私個人としましては、特に臨床心理士の有無を重視された方が良いかと思います。

 簡単な理由としては、臨床心理士は国家資格ではありませんが、心理臨床の実践において、事実上最も高度な資格と認知されているからです。

 取得の難易度についても、少なくとも2023年までは公認心理師よりも難しい資格です。

 取得までの条件も厳しいのですが、取得してからも専門家としての力量の向上や研鑽が求められています。

 公認心理師のみというカウンセラーが絶対いけないというわけではありません。

 ただ、取得にいたるまでの過程、条件にはまだ課題のある資格だと、個人的には思っております。

 少なくとも2023年までは取得に至るまでの過程や条件が、臨床心理士と比べると幅が広くなっているからです。

 なぜ幅が広いと課題があるのかということを含めて資格についての詳細は、また別のテーマでまとめた上でお伝えしていきたいと思います。

 こちらのページではひとまず、臨床心理士、または公認心理師という資格があるかどうかが一つのポイントになるということを覚えておいていただければと思います。

③料金のあり方

 都内における心理療法・カウンセリングの一回の所要時間と料金の相場は、おおよそ45分~90分、6000円~15000円程度と考えられます。

 一回に数時間を要したり、数万円かかるという設定は、臨床心理士や公認心理師であれば基本的にはありません。

 逆に開業カウンセリングルームで安すぎるというのも考えものです。これは一般論ですが安ければ安いなりの理由があります。

 専門性が担保されていない資格をもつ自称カウンセラーの場合、料金が高すぎたり、逆に安すぎたりします。

 時間の設定も場合によっては数時間と設定しているところも見受けられます。

 料金が安くても、専門的な知識の習得と訓練、倫理を重視して実践している機関として、臨床心理士指定大学院付属の心理相談機関があります。

 臨床心理士指定大学院付属の心理相談機関では、これから臨床心理士を目指すための大学院生が担当することが多いです。

 担当するカウンセラーがまだ訓練期間中ということで料金は安く、おおよそ2000円~5000円程度のところが多いです。

 時間設定も初回は90分でインテーク面接、2回目以降は50分程度のところが多いです。

 訓練期間中というと「経験不足だから心配…」と思われるかもしれません。

 確かに訓練中ですが、スーパーバイザーという上位指導者である臨床心理士(または公認心理師)が適宜指導しております。

 そのため、少なくとも専門性が不明確な自称カウンセラーのもとで心理療法・カウンセリングを受けることと比べれば安全であることは言えます。

 インターネットで検索する場合は、例えば「心理相談 大学院 地名」、「カウンセリングセンター 大学院 地名」などで入力してみると良いかもしれません。

 すると「〇〇大学 心理相談室」や「○○大学臨床心理センター」という形で表示されることが多いです。

④まとめ

 今回は、 カウンセリングルームのウェブサイトの見方と選び方について、基礎的な部分についてお話させていただきました。

 一つ目のポイントは、学術的な専門性や倫理基準に即して実践を求められている代表的な資格として、臨床心理士、および公認心理師という資格があること、そのため、それら両方、あるいはいずれかの資格を保有しているかどうかを確認してみてみることです。

 二つ目のポイントとしては、料金の時間と相場はおおむね一回あたり45分~90分、6000円~15000円の範囲内であるかどうかです。

 一回あたり数時間、数万円を要するところは注意が必要です。

 なお、比較的料金が低くても専門性と倫理が担保された形で受けられるカウンセリングの代表として、臨床心理士指定大学院付属の心理相談機関があります。

 ここまでお読みいただきありがとうございました。

 次回応用編では、ホームページの内容や説明の仕方からどのように選ぶと良いかということについてお伝えしたいと思います。